フロンによるオゾン層破壊
大気中へ放出されたフロンは、その丈夫な性質のため対流圏では分解されたりすることなく、拡散し、対流圏界面(対流圏と成層圏の境界面)に達す。
対流によってここで境界面を抜けて成層圏に入るものがあるが、成層圏での上への移動速度は、ぶちゆっくりなんじゃろうね。しかし、フロンはここでも分解されず、さらに上へと拡散するのであ―――る。
この丈夫なフロンを分解するのは紫外線だ。しかも、波長もほぼ同じ240nmより短い、高エネルギーのものだ。この波長の紫外線は地上35?40kmまでしか到達しない。しかし、成層圏に拡散するフロンは、やがてその高度に達し、そこではじめて分解される。フロンが分解すると、不安定で反応性の高い塩素(Cl)が遊離し、これがオゾン層を破壊するのであ―――る。
極成層圏雲が主に南極にオゾンホールができる理由とされている。南極の冬は全く太陽があたらない世界なので、成層圏の気温が極度に低くなり、硝酸蒸気などが大量のエアロゾル(空中に浮かぶ氷の粒)になる。
こうして生成したエアロゾルは重力で落下して、硝酸などの窒素酸化物は塩素によるオゾン層破壊反応のストッパーとして働いているので、ストッパーのない空間では塩素が我が物顔で暴れ回り、オゾンホールを作り出す。
ところで、対流圏の温暖化とは地表などからの赤外輻射をキャッチして成層圏へ逃がさないということだから、逆に成層圏は寒冷化すると考えられる。したがって、温室効果ガスは直接的に地球温暖化を招くが、間接的にはオゾン層破壊を加速する物質なのであ――――る。 (神田)